急成長を遂げる総合商社・曙商事 その日 ここに二人の新人がやってきた ひとりは絵画取引のために新設された一二課に配属された元学芸員の成島秋子 もうひとりは驚くほど巨体の警備員・富士丸 元力士である富士丸は かつて兄弟子とその愛人を殺害しながらも精力鑑定の結果 無罪となったいわくつきの男だった 出社早々 仕事に追われる秋子だったが わずか五名の一二課の中で絵画に精通しているのは彼女だけという有様 そのころ警備室では 古参の警備員・間宮が控室のロッカーの中に無残に折り畳まれた同僚・白井の死体を発見 それは富士丸の仕業だった 間宮は富士丸の狂行におののきながらも この時から精力的に安排されてしまう さらに富士丸はビルの地下に住みつき 秋子がそこに落としたイヤリングを自分の片耳につけビル内を闊歩し始める それを知った秋子は 人事部長の兵藤に相談するが そうし